布留川 勝の人材育成の現場日記

G研報告(136回)パート1「グローバル研修を日本語でやってはいけない理由」

2016/10/26

グローバル人材育成

グローバル人材育成研究会(G研)

9月28日(水)に第136回目のグローバル人材育成研究会を実施した。
いつもながらではあるが、特に今回は参加された方々同士の情報交換がとても多い回であった。

第1部では私からグローバル経営塾のパラドックスについて情報共有を行った。
ポイントは以下4点である。

1. 「1 (経営塾)+1(英会話レッスン)=2(グローバル人材)にならない?」
先日ある企業で聞いた話だ。1年間、大変厳しい課題の「リーダープログラム」を実施したが、テーマのうちの一つであった「グローバル」は英会話レッスンをすることでお茶を濁してしまった。
本来は、1 (経営塾)+1(英会話レッスン)=2(グローバル人材)で、グローバルリーダーが量産されるはずだったにも関わらず、実際には最終発表会で経営陣からの簡単な質問に英語で全く答えることが出来ず、部屋中に失望感が漂ったらしい。

知識は日本語でインプットし、ディスカッションも日本語で行い、その方々に英語レッスンをすることで「英語で経営を語り、買収先のエグゼクティブと丁々発止ができ、グローバル事業の方向性と課題を練ることができるようになる」というのはいくらなんでも楽観的である。
実は、この手の話は初めてではない。日本語でのグローバル経営塾は、目的と定義があいまいであるため、コース設計ができない、その結果として1年かけたとしても育成に失敗するケースが非常に多い。

2.コンセプトが重要
経営塾のような大きなプロジェクトになると、様々な意見が飛び交うのは外部からでも想像に難くないし、そこを交通整理する担当者の方々のご苦労を考えると本当に感じ入るものがある。しかし、だからこそやはりコンセプトをしっかりと持っている必要がある。

「どういう人材を育成するのか?」

例えばアジアグローバル企業のリーダー人材(リーダーシップ、MBAフレームワーク、グローバルイングリッシュというスペックは普通に持っている)をベンチマークしていくとその答えが見えてくる。そして、今回の研究会の中ではそういった人材の要素についても定義を共有した。
今回の研究会参加者の中には、香港人やドイツ人のご担当者もいたので、さらに具体的かつ白熱したディスカッションとなった。
グローバル・エデュケーションでは、私が2008年に著した「パーソナル・グローバリゼーション」に基づき、5つの要素がある。
そして、それらは全て訓練が可能である。
当社サイトには、簡易アセスメントもあるので興味のある方はお試しいただきたい。

3.英語に関しては言い訳なし
その5つの要素の中に、グローバル・イングリッシュという要素があり、これは、「英語を母国語としないが十分に通じる英語」というニュアンスである。これは仕事で英語にまったく触れていない人でも「できない、やらない言い訳なし」というスタンスが大切だ。そこで妥協をすると、全体が緩んでしまう。
まして経営塾にでるような優秀な方々は、英語公用語化は当たり前で論点にもならない、というところまで意識を上げていただきたい。そして、それが新しいスキルやマインドセットで自分を鍛えていくことにも繋がるのだ。そうならなかった方は、過去の当社のグローバルプログラムでは一人も居なかった。

4. 英語学習のやり方を知らない人が多いことに注目するべき
しかしながら、やる気になったとしても、やり方をがわからないと続かないのが英語学習。上達まで期間が長くかかるので、通信教育や英会話だけ提供しても目に見えて自信がつくようになるまでいくような確率は極めて低い。
どうやったらその確率を上げるのか?
それは継続できる英語学習のやり方をを知ることだ。

第2部のパートでは、当社専務取締役の福田聡子より、今まで1万名以上が受講、アンケートの評価4.5以上の大人気プログラム、右脳型英語学習法のデモンストレーションを行った。

ご自分でも英語学習を頑張っているご参加者も多く、更にやる気になって帰っていただいたようだ。いつもこのセミナーを見て思うが、ストイックに黙々と1人でやる勉強方法しか知らない方には、この「楽しい方法を自分で見つける」手法は相当なインパクトがあるだろうなと思う。福田としては、これを通じて、優秀な皆さんが英語の壁を、やらされ感や苦行としてではなく、軽やかにさっと乗り越えてくださることを心から願い、そして誰でもできるようになることを信じていることが伝わってくる。

実際、福田が担当するコーチングクライアントでは、英語学習を続ける中で見たTEDで、自分の仕事のやり方を変えてみたら、部下から「何かあったんですか?」、と聞かれたなどの、嬉しい波及効果がよく報告される。投資効果があまりに高いので、当社としても、もっとうまくこの効果を皆さんにお伝えしていきたいと思っているところだ。

 

(第2部に続く)

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