布留川 勝の人材育成の現場日記

大阪G研報告(124回)「グローバル人材育成に向けて打つべき2つの施策」

2016/03/29

グローバル人材育成

グローバル人材育成研究会(G研)

先日、第124回G研『なぜ、グローバル人材は育たないのか? なぜ、英会話レッスンは効果が低いのか? グローバル人材育成に向けて打つべき2つの施策』を開催した。
3月1日に開設した大阪支店の第1弾として大阪の企業研修ご担当者を中心に福岡からもご参加いただいた。
G研はこれまでほとんどが東京開催であったが、今後は2、3ヶ月に1度は開催していきたい。

■第1部では、私より「なぜグローバル人材が育たないのか?」について動向と課題を交えて解説した。
陥りがちな代表的な失敗例として、下記3つが挙げられる。
1.「グローバル人材=英語」 といった構図が定着していたこと。
ただTOEICのスコアを上げればグローバル人材になれるといった誤解が比較的多くの企業に現在も根強く残っている。
そのため単なるTOEIC対策や、外国人講師との英会話レッスンなどを会社が提供することが目的化していたのである。

2.誤ったメッセージが思考停止を導いている。
社員の英語力、昇格条件などにも横並び的に用いられているTOEIC600点が、グローバル市場では全く太刀打ちできないレベルであることを再認識するべきである。
基準のスコアを超えることが目的化してしまい、クリアした時点で自助努力することもなくなり、結果として英語力が元に戻るといったことさえも起きているのだ。
ここにタフな交渉やマネジメントができる、といった基準は含まれていない。

3.そもそもグローバル人材の定義が曖昧である。
グローバル市場での競争に勝ちうる人材は英語力以外でどのような能力が必要か?これが明確にならない限り、育成することも育成できたのかも判らないのである。

今回の参加企業のご担当者が感じる課題としては、
・研修をやっても効果が上がらない。
・マインドセットがうまくできない。
・人事と受講者で「受講してください」「受講してあげたよ」のような関係になっている。
・配属先によりグローバルの実感がわかず、動機づけも難しい。
・社長が外国人になりグローバル化が加速したが、変化についていけない人がいる。
といったような声があがっていた。

■第2部では、やっぱりどうする?英語問題!互いに学び合う「組織風土」構築が、「英語力底上げ」のカギ! として以下の通り提言した。
1-a. 幹部層向けにはキュレーション型プログラム(個別の目的にあったリソースを用いた学習法)、パーソナルコーチングを用い、全体への影響が最も大きいところに集中投資する。
1-b. 組織全体の底上げとして、各階層のハイポテンシャル人材には特別な研修を行い、それ以外に対しては学習風土醸成を目的とした、施策を打つ。
例えばこれまで英会話レッスンにかけていた費用を、「モチベーション」「学習法」にシフトすることによって、内製化につなげていくことなどである。
これまでにも述べてきているが、
STEP1.Why = 健全かつ強い動機づけ
STEP2.How = 効果的な学習法
STEP3.What = 継続の仕組みづくり(会社からのサポート)

これらが従来型の英会話レッスンの代替案であり、今のグローバル人材になりきれていない日本人ビジネスパーソンに有効な手法であると考えている。
また、当社専務取締役の福田聡子より「右脳型英語学習法」についての解説と、ご担当者全員での体験型ワークショップを実施した。
楽しみながら分かりやすく、英語嫌いでも継続できそうである、など非常に好評かつ有難い感想をいただけた。

■第3部では、次世代リーダー向けには思い切った施策を!と題し、「選抜グローバル人材育成プログラム」をご紹介した。
役職各階層でのGL型人材(グローバルでもローカルでも活躍できる)率を20%に上げることで組織文化が劇的に変化する。
また、戦略的に次世代リーダーを育成する手段としてエグゼクティブエデュケーションが注目されている背景と効果的活用法についてもご紹介した。

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