布留川 勝の人材育成の現場日記

「下山の思想」(バークレーより)

2012/06/21

イノベーション

エッセイ

DSC05211先ほどバークレーに到着した。時差ボケで少し頭が重いがここで寝てしまうと明日からが辛いのでブログを書くことにした。
本当は9時間のフライトのうち5時間は寝たかったのだが、どうも寝れないので、機内に持ち込んだ五木寛之氏著の「下山の思想(幻冬舎新書)」を読み始めた。なかなか面白かったので忘れないうちにシェアしたい。
若い頃は、五木氏の本はよく読んだ。というか、数年の間に多読した記憶がある。
最近は仕事がらみの本ばかり読んでいてご無沙汰であった。

五木寛之氏は敗戦から見事に復興を果たした日本を通り抜けた昭和ヒトケタ世代である。そして、その世界観は新鮮である。戦後日本人の生い立ちをより深く理解することで、私が取り組むグローバル人材育成と組織開発に参考になった。

五木氏は、この本で今の時代を生き抜く人材像を明確には語っていないが、人間と国のあるべき方向性を示していてそれが興味深い。
「下山の思想」とは、一度頂点まで登りつめた日本の目標は世界の経済大国を目指すのではなく実り多き「下山」を思い描くべきだというものだ。また、「下山」とは諦めの行動ではなく新たな山頂に登る前のプロセスだとも説いている。興味のある方は読んでいただきたい。

さて、少し話はそれるが、民主党は消費税法案を通し、下野するのだろうか?

野田総理はもちろんその覚悟だろう。総理まで登りつめ、自ら掲げたマニフェストと矛盾する法案を通すのは下山する日本を再生しようという強い信念なのであろう。しかし、である。まったく取り組んでいないとはとは言わないが、政府と行政の非効率をそのままにし、バラマキ路線の軌道修正なしに増税だけ前に進むのが気になる。

そこには、明るい未来は見えてこない。もう怖いものはないのだから、一気にここで大掃除をしてもらいたかった。

明日からは、今のところまったく下山の気配を感じさせないシリコンバレーのイノベーション動向を探る。これもまた楽しみである。

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