布留川 勝の人材育成の現場日記

韓国英語事情パート2 

2012/08/20

英語力底上げ

korea2

今日が4日目のソウルである。明日帰国するので、その前に前回ブログのパート2を書かせていただく。
前回も述べたが、現時点で日韓のグローバル企業の間には、英語力格差があるのは周知の通りである。
なぜこうなってしまったのか?
それはやはり韓国は政府も企業も社員も一度地獄を見ているということと関連する。地獄とはは1997年のデフォルトでIMFの管理下になった苦い経験だ。それ以来5000万人の人口の韓国がグローバル市場で生き残ろうとするのは必然だ。ここにレバレッジがかかり、グローバルスキルとしての英語力にも本気で取り組んできた。また、政府は韓国人の留学をバックアップしてきた。

しかし、ここにきて日本側も痛みを経験し始めている。デフォルトほどのインパクトはないが、電機や自動車業界は、かつてないほどのグローバル競争に晒され、技術大国日本という言葉が重みを失いつつある。

韓国や台湾企業にここまで詰め寄られたのはかつて経験のない痛みである。

その意味でようやく日本が痛みを伴う変革に移行するチャンスがきたのである。
英語に関していえば、日本人エリート層は、ASEANエリート層と同レベルの英語力を持つことが待ったなしであり、もうあらゆる言い訳は通用しない
一般韓国人と日本人の英語力は同等のように見える。私が英語で道を訪ねても、逃げられたり、全く通じないことも多い。
国民全員に英語力は求められないのは日韓同じだ。ただ、グローバル企業の幹部や各階層の高度人材には間違いなく英語力は求められる。英語力なしにグローバルビジネスで勝つことはできないし、そんなことは常識で他国では議論が終わっている。

<政府の着手すべきこと>

社員をグローバルで戦える人材にするには企業と個人の努力がまず一番である。

しかし、人材以外の要素でも日韓企業ができるだけ平等な競争をできるように政府も戦略を持っていただきたい。手足を縛られて戦っても勝ち目はない。

議論しつくされてはいるし弱者への支援も必要である。しかし、それでもあえて申し上げたい。

法人税を韓国並みの27.5%に下げる、労働法を改正する、円高ウォン安に歯止めをかけるなどなど、やることはある。それもすぐに実行すべきである。できない理由は山ほどあるが、日本の産業が過度に空洞化してしまえば、それを元に戻すことは並大抵のことではない。

実はこのブログは地下鉄の三号線の中で書いている。走行中の車内でも3Gは繋がるから羨ましい。
私のiPadの真上に先ほど野球帽が逆さにして差し出された。何だろうと見上げると物乞いであった。40代と思われるの男性である。

勝ち組の韓国グローバル企業と苦しむ下請け企業、そして、大卒者の就職難、社会から疎外される人々韓国社会のひずみも深刻である。

写真は三清洞の国立民族博物館。私の後ろの石像の表情が気に入った。

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